各種 鋸(のこぎり)の解説 |
畦挽鋸(あぜびき) |
・精密加工用の鋸で、刃渡りは1.5寸から5寸までと小型である。
・主に溝両脇を挽き込んだり、窓明け等の加工に用いる。
・土台の継ぎ手加工に用いる身幅のせまい鎌挽きもこの部類に属する。
・両刃型が主流となっている。 |
大鋸(おが) |
・「だいぎり」ともよばれる。本来「おが」は製材用大型枠鋸(タテ挽き)を意味し、「だいぎり」は玉切り用板状鋸(二人使いヨコ挽き)を意味するが、呼び名の混用がある。
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先丸鋸(さきまる) |
・穴挽鋸とも呼ばれる。江戸時代に穴蔵(あなぐら)を作る専門職が用いたところから名がついた。
・地方にっよっては、その形状からハナ丸ノコ・櫛形(クシガタ)ノコ・鯛丸(タイマル)ノコ・鯖(サバ)ノコ・厂胴(ガンドウ)ノコなどの別名がある
・主として端材の荒切りや薪挽き(まき・たきぎ)に用いる。
・片刃の荒物鋸に属し、アゴのえぐれが無い。 |
三方鋸(さんぽう) |
・祭器具として知られる白木の「三方」を作るとき、その角の折り曲げ部分の裏溝(V型)を挽き込むのに用いる特種鋸。
・背の部分に挽き込む深さの定規となる鞘(さや)を嵌めて使用出来る形になっている。 |
摺鋸(すり) |
・摺り合わせ鋸ともいい、船大工・桶師が板の合わせ目を挽き込み、接合部のなじみを良くするのに用いる鋸。
・船大工の分野で「十三枚鋸」と呼ばれているものもこの部類で、1寸あたり13枚の盛通しに目が刻んであることが名の由来である。
・片刃タテ挽鋸の一種。 |
弦掛鋸(つるかけ) |
・西洋鋸の原始型と思われる「弓型鋸」の亜流。
・現在日本では、金切鋸・竹挽鋸・炭切鋸などにその形が受け継がれている。 |
胴突鋸(どうづき)
ホゾ挽鋸(ほぞびき) |
・精密細工用背金付鋸(鞘掛(さやかけ)鋸)ともいう。
・ヨコ挽き用を胴突鋸、タテ挽き用をホゾ挽鋸と呼ぶ。
・主に、建具師が用いる。 |
根隅鈎(ねずみかがり) |
・梱(きしみ・敷居)や鴨居の溝を挽く鋸。柱の根隅から挽き込めるよう設計された小型タテ挽鋸である。
・建具師が用いる「ネズミカガリ」は、鋸の目立てが鋭い「ネズミの刃」になぞらえてこの呼び名がついた。根隅鈎とは異種のものである。 |
引廻(ひきまわし) |
・回し鋸の一種、本来は押し勝手に作られたものを押し廻し・突き廻しと呼ぶのに対し、引き勝手に作られたものを引き廻しと呼ぶ。
・一般的な、信州廻しと呼ばれているものをはじめ、関西廻し・船手廻し・桶屋廻し・車屋廻しと呼ばれるものがあるが、それぞれ形は異なっている。 |
ぶっきかがり |
・一般的にタテ挽き用鋸のことを「ガガリ」と呼んでいるが、このものは、「コミ」を短く切ったような仕立てになって、撞木柄(しゅもくず)をすげて大工の小割に用いる。 |